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2013-06

白い夏の墓標 読了

白い夏の墓標  帚木蓬生  読了

面白すぎるんじゃなかろうか
展開が早くてミステリアス
もっと重いものを想像して読み始めたのですが
出来事自体が風雲急を告げて それを追うだけでハラハラドキドキ
と言っても派手なことが起こるわけではなくて
ひとつひとつはいかにもありがちな小さなことなんです
でも総体で見るとなかなか深刻で時代性を帯びている
読み応え満点でした
しかしちょっと読みやすすぎるかもしれません
一気に読めてしまったので もうちょっと長く読みたかった

ほんの中でフランスの風景や日常が結構しっかり書かれていて
フランスへの憧れが膨らんでしまいました
いつかモンセギュールに行ってみたいです

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グリニャール試薬

前にも書いたかもしれませんが
グリニャールって横綱級の有機金属試薬です
汎用性ではブチルリチウムに軍配があがりますが
グリニャールも躊躇無く大量合成できる点で古いけど今でも有用な反応剤です
教養時代 学部時代 ともに学生実験でやらされるんです

で 今は便利な世の中で メチルグリニャとかフェニルグリニャとかは
試薬で売っています
先日必要に迫られてヘキシルグリニャを使ったのですが
250mLで買って6mLぐらいしか使わなかったんです
で冷蔵庫に保存していたんですが
今週大量合成でまた使うことになりまして
ふと疑問なのは 壊れないんですかね ヘキシルグリニャ
最初から色は真っ黒だし すごい不安
今度やるのは大量合成でして 失敗したら痛いんです
そもそもグリニャって禁水試薬なのに普通の瓶に入ってくるんですよね
ブチリチみたいに密封されてない
それに冷蔵でもない どうも析出してしまうからみたいです
使い終わった後は怖いので冷蔵してますが
むしろ水を呼び込んで分解を促進してる気もします
あーどうしよう と一人で悶々としております
いずれにせよ今週仕込めればいいな

下の写真は グッドミートバルのグリル盛り合わせ
ちゃんと欧州風に上品にグリルしてあって添えられているラディッシュが爽やか
特にカルビの部分が甘くて柔くて非常に美味でした



この後食べたボロネーゼはこれに勝るとも劣らない逸品
こってり濃厚なソースでした
この日はノー残業デーでしたので SKII君と
先日食べはぐった寿司をつまみ(つまむでは言い足りないぐらいしっかり食べました)
田舎料理みちのくで一杯飲み(小料理屋風のおばちゃんスナック カツ子と同じ)
最後グッドミートバルで ステーキとパスタ
うん 食べ過ぎですね
次の日 SKII君が体調崩してました

ロートレック荘事件 読了

ロートレック荘事件 筒井康隆 読了

推理小説史上初のトリックだそうです
中程まで読んでいてイヤな予感がしだして
あー こういうことねと 後半で気づきます
今では結構ありがちなオチ
テレビでも一時流行ってましたね

ただ筒井康隆は嫌いじゃないんです
文章が男っぽくて 残酷で下品です
俳優の筒井道隆(元祖オドオド俳優)に名前が似ています
富豪刑事とか大学教授の小説とか好きです
お下品でクセになる 蓮實先生は酷評していますが
あと食事のシーンが書かれている部分がうまいです
中学生ぐらいに霊長類南へって小説を読んでてて
女を抱いた後(もしくは前か)
ホテルのルームサービスでステーキとスープを頼むんです
生姜を効かせたステーキをがつがつ食べる
それが非常に印象に残っていて
私もそんな男らしい食事がしたいと憧れたのを思い出しました


笑わない数学者のクイズ

昨日長々と笑わない数学者の感想文を書いてしまいましたが
この本の中で出てきたクイズを書いておきます
シンプルだけど面白かったので

まずは4つの数字の問題

10が二つ4が二つある
どんな順番でもいいからこれらを全部使って
足したり 引いたり 掻けたり 割ったりして
答を24にしなさいというもの

答は 10に10を掛けて そこから4引いて 4で割る
これで24になりますね
昔スイカなんてなくて切符買って電車乗っていた頃
切符に4桁の数字が書いてあって
この4つのすうじで10を作るってのをよくやっていました
それと同じ

で次の問題が難しくて
7が2つと3が二つから24を作るいうもの

これは3を7で割って(7/3) 3を足して (24/3)
3を掛けると24
これは出てこないんじゃなかろうか
どうやって考えるんですかね

あとは 8が二つと3が二つから24を作る
これも難しいですね
3から3/8を引き1/3
さらに8をこの1/3で割って24
何じゃそりゃって感じですね
こじゃれていたのは 全部掛けてルートをつけても24だということ
四則演算じゃないからこれは反則だそうです

で最後に本当の問題
5つのビリヤードの玉を数珠状に繋げる
玉にはそれぞれナンバーが書かれている
この5つの玉から 幾つ取ってもよいが
隣同士の連続したものしか取れない
1つでも2つでも5つ全部でもよい
しかし離れているものは取れない
この条件で取った玉のナンバーを足し合わせて
1から21全ての数ができるようにしたい
どのナンバーの玉をどのように並べてネックレスを作ればよいか

これは難しいね
しかも小説の中には答も考え方も出てきませんでした
どうやって考えたらいいんでしょう
時間のあるときにやってみたいですね
ちなみにモーリーさんは自力で解けたそうです やるね

で そのモーリーさんと先日食べたピザ
昔ヒデマルゲリータと名乗っていたお店です
ぐすく君がニンニクのピザがいいと マリナーラというピザにしたのですが
なんてことはない マルゲリータからチーズを抜いたものでした



私ここ最近ピザが食べたくてたまらんかったのです
で マリナーラ。。。物足りない。。。コクが無い。。。 
禅僧が食べそうな高潔なピザでした。。。これは私が求めるピザではない
やはりチーズです チーズ
店名にマルゲリータが入ってるんだから大人しくマルゲリータ頼んでおけばよかった
先日行った若大将でも名物ミックスピザが品切れで食べられず
今だにピザへの欲求不満が解消されません。。。

笑わない数学者 読了

笑わない数学者 森博嗣 読了

英語題がMathematical Goodbyeで
日本語題が笑わない数学者
Mathematical Goodbye
何だかおしゃれですねS&Mシリーズ

西之園萌絵ちゃんにも大分なれてきまして
読むスピードが上がってきたシリーズです
読んで間違いがない 面白い
10作しかないので あと7作しか残ってないわけで
大事に読んでいきたいなと

今回は 何だか長大な序章があって
本編は最後の数十ページという印象です
殺人事件も当然起こるのですが これも序章に過ぎない
結局地下の老人は誰なのよってのが最大の問題で
しかもそれが明確にならない
小説の中に出てくる言葉でいうところの不定問題

一時期読む小説読む小説が倒叙スタイルの小説だったことがあったのですが
最近は結論が不定問題になるタイプによく出会います
この間の歌野晶午や石持浅海
法月綸太郎にもトイレの話でそんなのがあったような気がします
私この手の終わり方はちょっとイラっとしちゃうんです
歌野みたいに後日フォローしてくれるとホッとするんですが
でも今回のこの小説の場合
答が得られそうで得られない
不完全な不定問題って構造になっているような気がします
完全な解は得られるんでしょうか
ネットの他の解説では解を得ているようですが

今回の小説 この不定問題に集中していただくために
いわゆるミステリー的な部分は大分わかりやすくなっています
いかにも殺人事件の起こりそうな建物
(三ツ星館って館シリーズ十角館を彷彿とさせますね)
いかにもワケアリな家族構成
(数学者の家政婦の息子が数学の秀才とか)
いかにも大袈裟なオリオン像の謎
(トリックは小学生でもわかるはず)
何だ簡単だなーと思って読むと
最後に不定問題
地下に住む老人は天王寺翔蔵なのか?
それともその息子達なのか
私が最初に引っかかったのは犀川が最初に天王寺博士に会うシーン
あった後西之園さんに「失望したよ」と言いますね
これ老人が天王寺博士ではないことを示唆しているような気がします

あと私がちょっと物足りなかったのは
天才数学者天王寺博士があまり天才数学者っぷりを発揮しなかったところ
冒頭クリスマスパーティでプラネタリウムの中
マイク放送でなぜか数学クイズを出すシーンがあるのですが
あーいうの私大好きなんです 意味わからないもん
ここ読んで これは期待できるかと思ったら
その後ぱったりでした

最初この小説読んだ時 これは習作じゃないかと思ったんです
だって「すべてがFになる」に設定がそっくりだったから
天王寺博士は真賀田四季
三ツ星館は真賀田研究所
犀川と萌絵ちゃんが研究所に訪れるところとかFを彷彿とさせます
Fの前の練習にこの小説書いたのかなと
ですから天王寺博士には真賀田四季博士のような天才ぷりを期待してしまったのですが
全然違いましたね
でも博士はどこに行った?ってのは一緒だったか

ただ最後の終わり方は最高です
老人が女の子にトポロジー的な説明をした後
たった一言急にアツい言葉を投げかけるんです
ここでモヤモヤした印象が一気に晴れる
これはいいですね
十角館の衝撃の一言に匹敵します
それから このシーンに出てくる女の子って
西之園さんじゃないのかなとも思えるんですがどうでしょう
幼い西之園さんにアツい言葉を投げかける天王寺博士
って美しいシーンを思い描いてしまったんです
勝手な想像です こういうことしちゃいかんですね

西之園さんはミステリー主役キャラとしてはなかなかのもんです
ぜひ他の有名キャラと共演して欲しいですね
私の希望では 碓井由佳 と 早乙女静香教授 との共演です
ウルトラマンと仮面ライダーとタイガーマスクの共演に匹敵するかと
誰か企画してくれないかしら


密室殺人ゲーム2.0 読了

密室殺人ゲーム2.0  歌野晶午  読了

前に読んだ「improbable」が読むのに非常に苦労したので
楽に読めて面白そうでシリアスじゃないものということで
このシリーズを手に取りました
前作も一気に読めたので 今回も一気にと思ったら
日曜日一日で読み終えてしまいました
面白いからなんですけど ちょっともったいない
1週間ぐらい書けて読めると結構記憶に残るんですけど
1日で読んじゃうと2,3日経つと忘れちゃうんですよね

で内容は 見事に前作を踏襲している感じです
前作でモヤモヤした部分について ちょっと触れてくれるサービスショットまでついてる
ミステリー好きがニヤっとするような小ネタもぶっ込んでくれてます
前作気に入った人には安心して読める1冊です
でもね 前作は 1件1件の殺人の他に
登場人物同士の横の繋がりも テーマになっていたかと思うのですが
今回はそういう横の繋がりが少ない感じでした
ちょっと物足りないかも

相変わらずグロいというか品がないので
毎回毎回読むのは辛いけど
頭を使いたくないけど 本読んですかっとしたいときには
いいシリーズです

数学的にありえない 読了

数学的にありえない アダム・ファウアー 読了

人気の海外ミステリー 非常に巷の評価が高いようです
私は「数学的にありえない」というタイトルに惹かれて手に取りました
何だか 緻密なミステリー
数学的に絶対起こりえない状況で殺人が行われる
みたいなの想像したんです

そしたら全く違いました
派手で 大袈裟で 浅はかで ハリウッド映画みたいなお話でした
サスペンスってことですが 怖いとかゾクゾクするとかほとんど無し
状況が全く飲み込めないまま 事態だけが進行していって
最後は あらゆることが結びついて 始末もついて 
論理的にも辻褄があって 大団円 てな感じでした
私 ちょっと苦手なんです こういうの
もっとどんよりしてほしいし 最後でも謎が残って欲しい
タイトルで期待してしまったのが失敗でしたね
ちなみに現代は「improbable」だそうです
ちょっとニュアンスが違うような。。。

あと ハードボイルドちっくというか
基本的に痛そうなんです ブルースウィルス状態
主人公も脇役も肉体的に辛い状態に陥ることが多くて
そういうの読み続けるのもしんどかったです

それから量子力学の考え方がモチーフになっているのですが
ちょっともったいつけ過ぎですかね
ラプラスの魔とか シュレディンガーの猫とかを
現代の教授達がそんなに物々しい顔して語るかね
すでに古典的な事項になってると思われるわけで

そんなこんなで 全く心惹かれない読書になってしまいました
久々の読書感想文だったのは この小説読むのに すんごい時間使ったから
読み通すのが辛い小説は 途中で止めてもいいかなとは思うんですが
根が貧乏性で どうしてももったいなくて読み通してしまうんです
で結局読まなくてよかったかなとか思っちゃう
人生短いから もっと読んで面白い本があるかと思うと損してるよね きっと

貴婦人と一角獣

確か四ッ谷で中央線を待っている時
一枚の大きなポスターを見たのです
ある美術展のポスターだったのですが
非常にインパクトのあるポスターでしたので
一目でこれは観に行こうと思ったのであります
それが六本木の国立新美術館でやっている
「貴婦人と一角獣展」
題材,大きさ,色彩 素材 いずれも圧倒的です
SKIIくんも興味有りということで一緒に見てきました



で 今日はその「貴婦人と一角獣」の特集番組を教育テレビで放映していました
実際に見てきても ミステリアスなことは変わりなく
何かわかるのかなと思って番組見てましたが いまいちよくわからない
謎が謎呼ぶタペストリーのようです
国立新美術館の展示室も立派なものでしたが
実際にフランスの古城に掛かっている状態でも見てみたいですね
映像だと赤が映えちゃったりするんですが
実際の生地をみるともうちょっと重厚な感じがしました
よかったです

なお観に行った日は国際博物館の日か何かの特別な日で
併設でやっていたカリフォルニアデザイン展も無料で見れました
ラッキーです 内容もよかった 昔のデザインって味のあるもの多いですね
私は天井からぶら下げる電子軌道のモデルみたいのがお気に入りです
売ってないかしらん

国立新美術館は数年ぶりに訪れました
苦いというか渋い思い出があるので ちょっといい印象なかったのですが
雰囲気 結構よかったです
下にある食堂もなかなかの美味
というかクリーム系のパスタ料理が多く私の味覚を刺激しました
全部の料理を制覇したくなりました

あと「貴婦人と一角獣」
チケットには英語で「The lady and the Unicorn」
何でフランス語じゃないんだろうか
蓮實先生に怒られるで
タピスリーとフランス語読みしている部分もあったのに


最近忙しいんです

最近忙しいんです
飲み会 将棋 その他
そんなんでブログも滞りがち
ブログのネタになるイベントも少ないんですよね 寂しいですが

ということで 今日はちょっと気になったことを

某全国紙の一面

政府は「キャリア官僚」の採用試験で、2015年度にもTOEFLなどの民間の英語試験を
取り入れる方針を固めた。成長戦略の一つとして海外で活躍できる人材を育てるため、
まず官僚の英語力を高めるという。昇進にもTOEFLなどで一定の点数を求める案が出たが、
現役官僚に「不安」と「抵抗」が広がり、見送ることになった。
〜〜〜〜
「突然、英語ができないから昇進できないと言われても困る」(経済官庁幹部)
として反発の声も出た。
政府は人事が混乱するのを避けるため、「必要な専門性を磨くことが大事で、一律に
英語力を求めるのは合理的ではない」として成長戦略に盛り込むのを見送った。

TOEFLが官僚の採用試験に効果的かどうかはさておいて
この若い人達にTOEFLを課しておいて
自分たちは除外するってのが 何とも今風ですね(昔からか)
幹部発言「突然、英語ができないから昇進できないと言われても困る」
ってのがヘタレで味わい深い


それから 同じく英語に関する読者投稿

「大学入試にTOEFL」を読みましたが、TOEFL導入は慎重に考えるべきだと思いました。
英語教育については専門家の方達も様々な意見をお持ちだと思いますが、
結局、試験用の英語と会話用の英語では勉強のやり方が違うのだと思います。
現在、中高で700〜800時間の英語の授業があるなら、それに加えて
英会話の授業を増やすのがベストだと思います。試験用の勉強では英語が
話せるようになるとは思えませんし、英会話の勉強だけでは試験で点数は
とれません。相対的に時間数が足りていないと思います。
入試制度の大幅な変更は現場に混乱を招き、結果的には子ども達にしわ寄せが
いくことになることは明らかです。あまり短絡的に考えて欲しくないものです

この 「英会話の授業を増やすようがよい」とか 
「現場の混乱は子ども達にしわ寄せがくる」とか
「(行政には)短絡的に考えて欲しくないものです」とか
いったご意見自体が短絡的だなと思ったのですが いかがでしょうか
「結局〜」とか 「〜は明らかです」 とかいう物言いには要注意というのが
私の日頃感じる教訓です

国際化教育が 英語教育に そして 英語が話せるかどうかに
収斂してしまうことについて書こうと思ったのですが
ちょっといかにも長いので この辺でやめます


最後は先日会社のバス旅行に行ったときに撮った羊の写真
かわいいですね
この日は 朝 人生最大の危機を迎えたのですが 無事この羊に会えてよかったです



私 結構羊好きでして 食べるのも好きですが 見るのも好きなんです
おそらく村上春樹「羊をめぐる冒険」の影響を受けたのかなと
「羊をめぐる冒険」では背中に星の痣がある日本にいるはずのない羊を探すのですが
羊博士が羊について長広舌を振るうんです(黒マントの男だったかも)
普通の小説の中に羊の専門的な話が長々と出てきて
印象深かった思い出があります
今にして思うと結構ありがちなんですけど
当時はあまり本を読んでいなかったんで新鮮だったんですね
北海道でジンギスカンを食べて生ビールを浴びるほど飲みたい


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